安徽省（あんきしょう）について

■安徽省（あんきしょう）について
安徽省は中国の南東部に位置する省です。安徽省は自然が美しい場所で知られる一方、歴史的にも非常に重要な場所でもあります。国家クラス、省クラスの様々な観光スポットがあり、外国からの旅行者だけでなく国内からの旅行者も多く集まる場所です。国家クラス重点景勝地に指定されている場所が5か所もあり、自然の保護区も3か所あります。さらに、国家クラスの森林公園は23か所あります。歴史文化都市も3つあります。数々の蜂起があった場所として知られており、「天下は安徽から乱れる」という言い伝えがあるほどです。山岳地帯が多く、松茸や栗などの食材を使った料理が多く、自然の味を重視します。


安徽省の最も有名な観光スポットは、黄山です。この黄山は、1990年に複合遺産として世界遺産に登録されました。中国の名山の一つで、十大風景名勝地としても知られています。十大風景名勝地の中で唯一山岳風景なのが、この黄山なのです。では、この黄山の特徴はどんなところなのでしょうか。それはなんと言っても、仙人が今にも出てきそうな風景ということではないでしょうか。これにはある言い伝えがあります。それは、伝説上の王である黄帝がこの黄山で不老不死の薬を見つけて飲んだところ、仙人になったという伝説です。神秘的な風景を作りだしているのは、一億年をかけて作りだされた独特の断崖絶壁の景観と雲海です。さらに、岩の割れ目に生える黄山松です。これは奇松と呼ばれます。独特な形をした怪石や山々に美しい雲海が漂い、その山々や岩から除く奇松。これらが揃った時まさに神秘的な景色が生まれるのです。さらに鉱山には温泉があり、非常に有名です。このような幻想的な世界から多くの詩や思想が生まれてきました。数々の文人が訪れ、水墨画や漢詩などが生まれたのです。中国の独特の文化の発祥地とも言えるかもしれませんね。さらに、この黄山の周りには数々の寺院が建てられています。道教や仏教の修行の場として知られているのです。黄山には有名な峰が72もあります。ここでは最も有名でお勧めの三大主峰を紹介します。それは、天都峰、蓮花峰、光明頂です。すべて標高が1800メートル以上です。鉱山への登山はケーブルカーでもできますが、やはり自分の足で美しい景色を見、温度を肌で感じ、山の香りを楽しみながら登るのが良いでしょう。黄山登山の醍醐味は山々を観賞するだけでなく、美しい雲たちを観察することにもあります。是非雲が出ている時期に登山をしてみてくださいね。


安徽省といえば、黄山です。その山の麓にもう一つの世界遺産があります。それが、安徽南部の古村落です。安徽南部の古村落は幾つかあるのですが、世界遺産に登録されているのは、西逓（せいてい）と宏村（こうそん）の2つの村です。中国国内線飛行機に乗ると大抵備えつけのパンフレットなどに安徽南部の古村落がお勧め観光スポットとして紹介されています。なぜならここはまさに桃源郷のような場所で非常に美しい景色が広がっているからなのです。ここには非常に豪華な家が多く並びます。なぜならそもそもここに住んでいた人たちというのは、かつて塩の取引によって成功した商人たちが住んでいたからなのです。安徽南部の古村落の古民家の特徴はなんといっても城壁でしょう。さらに窓や柱などには様々あ装飾が施されています。細かい木彫りや石彫りを見ているとそこがかつて裕福な人々が住んでいた場所なのだということが良く分かります。池にそれらの家が写る様子は非常に美しく、安徽南部の古村落の代表的風景と言えます。


屯渓老街は安徽省の黄山市に位置しており、山あり河ありの美しい町です。そんな町の中にあるのが全長832メートルの商店街です。商店街といっても私たちが想像するような売店が立ち並んでいるのではありません。この商店街は、宋、明、清の時代の様式で建てられており、中国国内で最も保存状態が良いとされているのです。最近では茶楼や酒楼などを設けることでより一層観光客にとって魅力的な場所となっています。


合肥は安徽省の省都であり、長江と准河がちょうど合流する地点に位置しています。合肥といえばなんといっても三国志の古戦場として有名でこの地を巡って魏と呉が何度も争いました。市内にはこの戦いにちなんだ公園が整備されており、かつて呉の孫権が魏の武将張遼に敗れた際に馬で飛び越えて逃げたとされる飛騎橋があります。また公園内には張遼の銅像があり、三国志ファンにとってはぜひ押さえておくべきスポットではないでしょうか。

気候は淮河の北と南で違います。北は温暖半湿潤気候、南は北亜熱帯湿潤気候です。